物の動きに対して抵抗となる静電気を除去する特殊ボルトです。
インジェクターチューニングボルト 適合表
インジェクターチューニングボルト 取扱説明書一覧
静電気
インジェクターチューニングボルトについて考える前に、まず静電気について思い出す必要があります
静電気は車から降りようとドアに触れた時や家の中においても金属製のドアノブに触れた場合の痛みとして我々の記憶に残っているのではないでしょうか
幼少期に衣類でこすったプラスチック製の下敷きで髪の毛を逆立てた懐かしい思い出もあるかもしれません
静電気は常に我々の傍に存在しております
もちろんオートバイも例外ではありません
物質の構成
静電気、それは物質の帯電現象ですがそのことについて考える前に物質を構成する原子について思い出してください
原子は通常その中心に原子核を持ち、原子核の周囲にはマイナスの電荷を帯びた電子で構成されております
さらに原子核は電荷を持たない中性子、そしてプラス電荷を持つ陽子から成り立っています
「負」に帯電した電子、「正」に帯電した陽子、この二つがつり合うことで原子は全体として電気的に中性の状態を維持しております
このバランスが崩れる時、物質は帯電した状態、つまり静電気状態へと移行します
静電気発生のメカニズム
それでは静電気はどのような場合に発生するのでしょうか
この地球上においては、そこに物質が存在するだけで静電気が発生する条件が満たされていると言っても過言ではありません
個体、液体、気体。物質の状態は問いません
接触や剥離、または摩擦されることで一方が電子を失い、他方が電子を受け取ります
負電荷である電子を失った物質は正電荷に、電子を受け取った物質は負電荷へと帯電します
正電荷
負電荷
帯電列
物体が正、負、どちらに帯電するかを表に示したものが帯電列と呼ばれるものです
帯電列の左寄りに記載されたものは正極に帯電しやすく、右寄りに記載されたものは負極に帯電しやすくなります
インジェクター、キャブレター、マニホールド、エアクリーナーボックス内などを流れる空気や混合気はプラスに帯電しやすい性質があります
導体の静電誘導
インジェクター、キャブレター、マニホールド等を構成する金属部品に目を向けてみましょう
金属、つまり電気を通す導体から構成されるこれらの部品の表面では静電誘導という現象が起こります
金属部品にプラス極に帯電した物体が近づくと金属内では逆極性であるマイナス極の電荷が表面に集中します
これは金属などの導体が自由電子と呼ばれる文字通り自由に動くことができる電子を所有していることに起因します
またアースされていなければ金属であっても静電気に帯電します
クーロン力
プラスに帯電した空気や混合気、そして表面にマイナス極の電荷を湛えた燃料噴射装置やマニホールド
逆極性に帯電した物体間にはそれぞれを引き合う力、クーロン力が働きます
金属部品は車体に固定されているため空気や混合気が金属部品に引き寄せられます
このことが結果として気体のスムーズな流れを阻害する要因だと考えられます
インジェクターチューニングボルトの役割
インジェクターチューニングボルトは「より流れやすい場所へ流れる」、「尖った部分に電界が集中し放電が発生しやすい」という電気の性質を利用しております
電気はより抵抗の少ない場所へ、より鋭利な場所へと流れようとします
ボルトの頭部に王冠状の突起が取り付けられているのはそのためです
この突起を間近で観察すると削られ先端が鋭利に加工されていることがわかります
電荷がこの先端に集中します
電界強度が上がり放電が誘発されます
謎
インジェクターチューニングボルトの仕組みは以上のようだと考えておりますが静電気に関しては現代においても不明な点が多く、また自動車やオートバイなど動き続ける物体に発生する静電気はその発生場所や発生量が常に変動するため計測や対策が難しいのが実情です
周囲を見渡せば静電気除去に関しては様々な研究が行われ除去機器も数多く販売されております
その中にはインジェクターチューニングボルト以上に除去効果を発揮できるものも存在しております
しかし大規模な工場などではなく取り付けスペースの限られたモーターサイクルや自動車への取り付け用として考えるとボルトの交換だけで一定の静電気を除去でき、体感できるほどの効果を得ることが可能なインジェクターチューニングボルトの意味は大きいと言えるのではないでしょうか
取り付け作業自体が容易であること、半永久的に使用できる経済性も利点と言えるでしょう。
Harley-Davidson各車種への適合は以下からご確認いただけます。
インジェクターチューニングボルト 適合表
インジェクターチューニングボルト 取扱説明書一覧